犬が痒がる理由!かゆみの原因と対処法【完全版】

犬が痒がる理由!かゆみの原因と対処法についてお話します。
 
「なんだかいつもよりかゆそう?」
よく見たら、皮膚が荒れてる!なんてことはありませんか?
ひょっとしたら皮膚炎かもしれません。
 
掻きすぎて炎症を起こしているのにかゆいのを我慢できず、ずっと掻いてしまう…
そうすると治りも悪くなり、時には重症化することも。
本日は、実は侮れない「皮膚のかゆみ」、その原因と対策をご紹介いたします。
以前、私の愛犬もよく「かゆがるしぐさ」をしていていました。
かゆみは愛犬のストレスにも繋がると思うので、皆さんの愛犬が「かゆがるしぐさ」をしている場合はできるだけ早く病院に行くことをお勧めいたします。
 
 
 
 
 
換毛期にアレルギー、心因性。犬がかゆがる原因
まず、いつもより少し掻く頻度が多いくらいなら問題ありません。
しつこく掻いているようであれば、皮膚をチェックしてみてください。 犬がかゆがる原因は、以下のようなものが挙げられます。
  • 1.乾燥
  • 2.換毛期で抜け毛がまとわりついている
  • 3.毛玉ができている
  • 4.虫さされ
  • 5.外耳炎(耳をピンポイントに掻くのは難しいので首などを掻くことがあります)
  • 6.アトピー・アレルギー
  • 7.細菌感染・外部寄生虫
  • 8.自己免疫疾患
その他、一部の腫瘍によりかゆみがあったり、心因性の場合もあります。
 
毛がうまく抜けていなかったり、毛玉がひきつれている場合は日々のブラッシング不足が考えられます。
特に毛が長い犬はブラッシングの習慣をつけましょう!
出来てしまった毛玉をブラシでほぐすのはとても難しく、やり方を誤るとその痛みからブラッシングを嫌いになってしまうことがあるため、毛玉が確認できるときは、トリマーさんなどにお任せすることをおすすめします。
 
 
今回は、‟かゆみ”を伴う代表的な病気をいくつか紹介します!
菌による感染性皮膚炎
  • マラセチア症 犬の皮膚表面に住んでいる酵母菌の一種であるマラセチアが異常に増えて皮膚炎を起こす。痒みと独特の悪臭、フケを伴う。
  • 膿皮症 犬の皮膚の黄色ブドウ球菌などが、犬の皮膚の免疫力の低下などで異常に繁殖し、皮膚が化膿する。痒みや痛みを伴う。
 
マラセチアという皮膚に常在する酵母菌(カビの一種)が増殖することで発症する皮膚炎です。
指の間やわきなど蒸れやすいところに部分的に発症することが多いです。
耳の中にいることもあります。
発症を繰り返すこともあり、私の愛犬も2回ほど投薬しています。
 
◆かゆみの特徴
ベタベタした皮脂になってニオイが増したり、フケが多く出て強いかゆみを引き起こします。
 
 
アレルギー性皮膚炎
 
食べ物が原因となる食物アレルギー、ノミの唾液が原因のノミアレルギーなど、アレルゲンに反応して起こる皮膚炎です。
カビや花粉などさまざまなものに反応しやすい場合には、免疫や皮膚バリアに問題があるアトピー性皮膚炎のこともあります。
 
◆かゆみの特徴
原因によりかゆがる部位や季節はさまざま。皮膚検査で他の皮膚炎が除外された場合に疑われます。
 
 
膿皮症
 
細菌が原因の皮膚炎。体幹(背中、おなか)、足のつけ根、わきなど、いろいろなところにあらわれます。よくなっては別の部分にできる、を繰り返すこともあります。
 
◆かゆみの特徴
ポツポツとした赤い発疹ができかさぶたになり、強いかゆみを伴います。
 
 
疥癬(かいせん)
 
通常は犬にいないヒゼンダニが寄生することで起こる皮膚病です。あまりのかゆさに、皮膚をかきこわしてしまうこともあります。
 
◆かゆみの特徴
耳やひじ、顔のまわりに激しいかゆみが起こり、脱毛や発疹が見られます。
 

 

肛門周囲のトラブル
 
肛門腺が詰まって肛門炎などの炎症を起こしている、肛門にしこりができているなどの原因でお尻にかゆみや痛みが出ます。
 
◆かゆみの特徴
お尻のまわりが腫れたりお尻自体が赤くなる。お尻に届かず、しっぽを追いかけるしぐさを見せることもあります。
 
結膜炎
 
細菌やウイルス、アレルギーなどにより起こる目の病気です。かゆみで目をこするしぐさのため角膜に傷がついてしまうこともあるので注意しましょう。
 
◆かゆみの特徴
目が充血したり、涙や目ヤニが増える。かゆくて顔を床にこすりつけるしぐさもあります。
 
 
 
毛包虫症
 
ふだんから犬の毛穴に寄生している毛包虫(ニキビダニ)が、免疫力が落ちたときに異常発生し、かゆみや脱毛など皮膚のトラブルを起こす病気です。幼犬や高齢犬、全身的な病気にかかっている犬に起きることが多いです。
 
◆かゆみの特徴
口や目のまわり、四肢などに見られます。
 
 
外耳炎
 
耳ダニの寄生や菌類が耳アカで繁殖することによって起こる外耳炎です。しきりに耳元をひっかくため、耳の後ろに毛玉ができて気がつくこともあります。耳アカが増えたり異臭がすることも特徴です。
 
◆かゆみの特徴
耳の中が赤くなり、かゆみと痛みを伴います。
 
 
外部寄生虫性皮膚炎
 
・ノミ刺咬性皮膚炎 犬がノミに刺される刺激で痒がる。
・ニキビダニ症(毛包虫症) 犬の毛包内に元々寄生しているニキビダニが毛根で異常に繁殖する。単独で痒みを起こすことは稀だが、細菌の二次感染により化膿し、痒みを起こす。
疥癬 センコウヒゼンダニが犬の皮膚の下にトンネルを掘って寄生するため、犬がきわめて激しく痒がる。
 
 
 
犬の痒み予防法
 
 
ノミ、ダニ駆除薬の使用
 
ノミ、ダニがワンちゃんの痒みの原因になっていることが非常に多いです。
月一回駆除薬を使用することでノミ、ダニの予防が簡単にできますので使用をお勧めします。
 
 
皮膚を清潔に保つ
ノミ、ダニ、細菌、真菌の予防と早期の駆除、過剰な皮脂や皮膚についたアレルゲンを除去するために、皮膚や被毛のお手入れは欠かせません。
適切な方法で、適切なものを使って、シャンプーを定期的に行いましょう。
毛だけでなく、皮膚まできちんと洗うのが重要です。皮膚を傷つけないように優しく丁寧に洗ってください。注ぎ残しにも注意です。
 
 
環境を清潔に保つ
ノミ、ダニ、細菌、真菌、空気中のアレルゲンを環境中から排除するため、ワンちゃんのいるお部屋は掃除を頻繁に行い、常に清潔に保つのが大切です。
ワンちゃん用のおもちゃ、タオル、食器、ケージ等は定期的に消毒もしてあげてください。また空気中にアレルゲンが舞わないよう、埃を立てないように掃除するのも大切です。
 
 
 
適切な飼育環境を整える
ストレスによる免疫力低下を防ぐため、適切な環境で飼育してあげなければいけません。
毎日お散歩等で運動し、栄養バランスのとれた新鮮なフードを与え、飼い主さんとのスキンシップの時間もしっかりとってあげてください。
ワンちゃんが快適に過ごせ、痒みを悪化させない温度、湿度を保ってあげてください。
 
 
アレルゲン、刺激になりそうなものを除去する
アレルギーが出やすい食材、刺激になりやすい繊維の服やカーペット、刺激の強いシャンプーを極力使わないようにしましょう。
ドッグフードはたんぱく質源となる原材料の品目が少なく、添加物が使われていないものの方がアレルギー発症のリスクを抑えられます。
 
 
直射日光を避ける
色の白い子、毛の薄い子は特に直射日光に長時間当たらないように注意しましょう。お散歩は陽が昇りきる前の午前中か、沈みかけの夕方に行うようにしましょう。
またUVカット効果のある服を着せる、ワンちゃん用の安全な日焼け止めを使うのも有効です。接触性の皮膚炎を発症させないよう、日焼け止め、服が皮膚に刺激を与えないかチェックも必要です。
 
 
日頃から愛犬の様子、皮膚をチェックする
ワンちゃんは全身が毛で覆われているため、皮膚に異常があっても気づきにくいです。ブラッシングをする時は毛を掻き分け、皮膚に異常がないか確認してあげてください。
今は痒がっていなくても、皮膚になんらかの異常があれば今後痒みが出てくる可能性大です。痒みが出る前に対処してあげましょう。
 
 
ワンちゃんは痒いところを後ろ足の爪を立てて掻いたり、舐めたり、齧ったり、床に擦り付けたりします。このような行動が見られたら、痒がっている部分を確認し、病院に連れて行ってください。
早期に適切な対処をすることで、悪化する前に治すことができます。痒みの原因は様々で、すぐに治るものから一生付き合っていかなければいけない病気まであります。
どんな痒みでも飼い主さんの努力次第で症状を軽くすることができますので、一度病院で痒みの原因の特定をしてもらい、お家でのケアや環境改善を心がけましょう。
 
 
 
 
Tokyo Sitterは獣医監修のペットシッターですので、心配事がある際は
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